冬休みに入ってからゲーム(テレビゲーム)の話題について書き散らしています。ただでさえ寒い時期であるのにくわえコロナもおさまっていない状況ですから、引き続き家の中で過ごす日々はまだ続きそうです。
そういうことを意識しているのかいないのか、昨日テレ朝系で「テレビゲーム総選挙」という番組を放映していました。今回はあらためてランキングの結果を振り返っての感想をまとめてみたいと思います。なお番組の概要とランキングの結果については、ファミ通のサイトが早速まとめてくれていまして、そちらをご覧頂ければと思います。
調査方法と母集団
このランキングは「国民5万人がガチ投票」して決められているようです。この5万人をどういう風に選んだのかは結果にも影響しますが、テレ朝の番組紹介のサイトには「全国のテレビゲームファンに実施したアンケートの結果」とあるだけで、あまり具体的な調査方法の情報は見あたりませんでした。
投票したい人が投票するのか、無作為抽出した人に対してアンケートをするのかでも母集団の性質はだいぶ異なるはずです。ときどき番組の画面で紹介される10年刻みの年代別と性別ごとの支持率のグラフをみると60代以上の年代にはグラフがなく、この年代は母集団には含まれていないか、ごく少数のようです。
おそらく母集団はゲーム人口が多いと思われる若年層(10代~30代)が多く含まれており、40~50代の数は相対的に少ないのかも知れません。従って、若年層の好みをより強く反映している結果になっている可能性があります。40~50代では現在はゲームから離れてしまっていて、そもそもこの番組に関心を持っておらず、かつて彼らが好きだったようなゲームはアンケートには反映されていないかもしれません。
ゲームをやる人は大抵複数のゲームで遊びますから、「どれだけ多くの人に遊んでもらったか」という観点でアンケートをすれば、結果も変わるはずです。いちばん分かりやすいのは累計販売本数に従ってランキングでしょう。ちなみに、日本国内の累計販売本数トップ3はウィキペディアによると「あつまれ どうぶつの森」(950万本/2020年発売)、「ポケットモンスター赤・緑」(822万本/1996年発売)、「ポケットモンスター金・銀」(730万本/1999年発売)といった具合です。
一方、テレビゲーム総選挙のトップ3は「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(250万本/2017年発売)、「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」(280万本/1992年発売)、「ファイナルファンタジーⅦ」(407万本/1997年発売)という結果でした。ですから販売本数とはまったく異なる観点で選ばれていて、客観的なデータに基づく論評は難しいのかも知れません。まぁ年末の娯楽番組の一種であって、結果によって個々のゲームの売れ行きなどに影響を与えるほどのものでもないでしょうから、そのあたりもゆるくやっているのでしょう。販売本数だけで順位をつけてもテレビ的に面白くはないでしょうし。
出演者
総選挙の結果には関係ありませんが、番組の出演者の構成も気になりました。出演者はMCとして爆笑問題のふたりとウエンツ瑛士、スペシャルプレゼンターとして沢村一樹、他にゲストとして、浅利陽介、有野晋哉(よゐこ)、伊集院光、入江聖奈、大橋和也(なにわ男子)、賀喜遥香(乃木坂46)、田中卓志(アンガールズ)という総勢11名です。
目立つのは40代(有野、田中卓)、50代(太田、田中裕、沢村)の男性がほぼ半数という構成です。私はまさにこの属性にあてはまるので、番組を観ていてあまり違和感は感じませんでした。ゲーム人口としてはもっと若い世代の方が多いのではないかと思いますし、昔よりはゲームに親しむ女性も増えているようにも感じるので、若い世代や女性をもう少し意識した出演者の構成にする方が視聴率的には好ましい結果が得られたのではないかと思いました。
伊集院の推した「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が見事1位でしたし、浅利や賀喜が推した「あつまれ どうぶつの森」は4位と、出演者の予想もなかなかいい線をいっています。1980年代末にリリースされた田中裕推しの「ドラゴンクエストⅢ」は6位、有野推しの「スーパーマリオブラザーズ3」は10位と、昔のゲームにもいまだに支持者が多いのですね。
総評
総選挙の結果について、特に細かな順位についてはコメントできないので、全体の印象をまとめると、ドラクエ、FF、ポケモンが強い、RPGが強い、シミュレーションは弱い、というものです。
ドラクエ、ファイナルファンタジー(FF)、ポケモンは、シリーズ化されていてそもそものタイトル数も多いので、この3系統のタイトルが100以内に30タイトルもノミネートされています。ちなみに私はこれらにはまったく触ったことがありません。
ドラクエ、FFが強いということはRPGが強いということですが、首位になったゼルダなど他のRPGも数多くノミネートされています。RPG以外ではアクションも強い支持を受けています。テトリスなどのパズルゲームは多くの人がやっているはずですが、全体の中では存在感は薄い感じです。
私の好きな「信長の野望」や「三國志」はそれぞれ78位と96位にかろうじてランクインしていました💦いや、ランクインしていてくれて有難う。友人宅でちょっとだけ遊んだような経験も含めて一度でもやったことのあるゲームは、5タイトルしかありませんでした。それでもゲームには自分が経験しているよりもはるかに広い領域が存在しユーザーがいて、自分のゲーム歴はかなり偏っているというを客観的に再認識できたのはとても良かったと思います。
知らないゲームばかりランクインしては観る気が失せるのが自然だと思いますが、そこをつなぎ止めるのが前述の出演者の構成なのでしょうね。昔はゲームをかなりやった、と思っている中高年男性も爆笑問題や伊集院光の語りに釣られて、ついつい付き合ってしまうことを狙っているのでしょう。その意味ではなかなか絶妙な出演者構成でした。
一日一楽
総選挙の結果をみてやはりドラクエとファイナルファンタジーくらいは一般教養としてやっておかないといけないなと思いました。一般教養とはいえさすがに経費では処理できませんけどね😂