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創業計画書の作成方法①

このシリーズではこれから事業を始めようという方向けに日本政策金融公庫(公庫)向けの創業計画書の作成方法について解説していきます。創業者向けの融資は公庫以外にもありますが、いずれにしても創業時には事業計画が必要になりますので、公庫を利用しない場合でも参考になると思います。

目次

創業計画書とは? 作成する意味

まず創業計画書とはどのようなものでしょうか?公庫のHPに書式が掲載されていますので、まずはそれをみてみましょう。

いかがでしょうか?A3サイズの一枚物の書式ですが、記載すべき項目は多岐にわたり、慣れない人にとってはとっつきにくいかも知れません。でも新しい事業をはじめるということは新しい取引先や従業員との関わりも出てきますし、資金を借入れすれば、返済までの間、公庫や銀行とも付き合っていかなければなりません。事業がうまくいくとは限りませんし、途中で軌道修正が必要になる場合もしばしばです。

そのようなときに自分ならあきらめずに挽回をはかれるか、そういうことにも思いを馳せながら計画を作り上げることによって、計画書はより説得力をもってきます。創業計画書を作成することは自分のやりたいことが現実味を持っているのかを冷静に見つめ直す機会としても意味があるといえます。

創業計画書の内容 創業の動機、略歴、取扱商品・サービス

まずはじめは「創業の動機」です。

ご自身が新しく事業をはじめる動機を記載します。動機は人それぞれですから、まずは自分の正直な動機に向き合ってみましょう。その動機がしっかりしたものであれば困難がおとずれた際も支えとなってくれることでしょう。最初は単なる思いつきのように見えても、ご自身の問題意識から発展してきたものかも知れませんし、何かの目的があってのことかもしれません。そういうことにも想いをはせて「創業の動機」を考えてみてください。

次に「経営者の略歴等」です。

ここではご自身の略歴を記載します。学歴や職歴といった基本的なものに加え、過去の事業経験や取得資格などを記載します。学歴や職歴が事業と関連しているものであれば、創業する動機にもなっているでしょうし、公庫を含め周囲の理解を得やすいでしょう。

創業によって事業の経営者になるわけですから、過去に事業を経営した経験は創業にあたっても強みとなります。また、事業によっては公的な資格が必要な場合もありますので、逆にそれらを持っていない場合には創業へのハードルにもなりかねません。

そして「取扱商品・サービス」です。

ここではどんな商品やサービスを売るのか、以下のような項目に分けてより具体的に記載します。

セールスポイント

まずは「セールスポイント」です。

長いデフレが続き、また、インターネットの普及によって消費者には多くの情報が提供されていますから、価格にも品質にも敏感になってきています。「差別化」とよくいわれますが、「セールスポイント」のある商品やサービスの方が魅力的ですよね。

販売ターゲット・販売戦略

次に「販売ターゲット・販売戦略」です。

「創業の手引」では婦人服の小売店を例に上げていますが、婦人服といっても年代によって選ばれる商品やブランドは異なりますよね。また、若い年代をターゲットにするのであれば、若者が集まるような場所に店舗を出す方が有利でしょうし、ネット通販に力を入れることも重要かもしれません。

ターゲットごとに販売戦略も変わる可能性がありますので、そのようなことも意識しながら記載します。

競合・市場など企業を取り巻く状況

そして「競合・市場など企業を取り巻く状況」です。

ここではあなたが始めようとする事業で取り扱う商品・サービスを取り巻くライバルたちや消費者の動向などを記載します。
消費者に人気のある商品やサービスにはあたなと同じように事業化を考えるライバルも出てくることでしょうし、市場には既に強力なライバルがいるかも知れません。現在の需要を上回る将来の需要が見込まれるのであれば、そのような市場で敢えて事業をすすめるのも間違いではないでしょう。

3C分析 顧客 (Customer) 、競合他社 (Competitor) 、自社 (Company)

以上の項目は創業の動機やあなたの経歴からはじまって、どのような商品・サービスを、誰に、どのように提供するのか、ということをまとめているともいえます。

このような分析手法はじっさい「創業の手引」の中では「3C分析」として紹介されています。つまり、顧客(Customer)、競合他社(Competitor)、自社(Company)を分析することで、あなたのビジネスモデルをより具体的に検討できるため、ビジネスの成功の可能性を高めやすいものです。

3Cのそれぞれの要素についてもう少しみてみましょう。

顧客(Customer)

まず顧客(Customer)です。先ほどの婦人服の小売店の例でいえば、ターゲットを「〇〇駅近隣在住の30代前後で子育て中の女性」という絞り方をしています。そして「子育てなどで多忙のため、全身のコーディネートを1店舗で完結したいニーズ」を狙いとしています。

このように具体的にターゲット像をイメージすることで、そのようなターゲットの市場規模や購買行動もある程度つかめますし、今後の変化の方向性なども掴むことができるかも知れません。

競合他社(Competiter)

競合他社(Competiter)については、同業種・同業態の競合をイメージするのがわかりやすいでしょう。小売店のような実店舗の業態であれば、出店を予定している地域に同業種・同業態の店がいくつあって、どのような商品を販売しているのかを分析すれば良いわけです。

自社(Company)

自社(Company)についてはあなたが持っている経営資源(設備や不動産、またはスキルや人脈)をあらためて分析します。また、これらの経営資源以外にあなたが持っていたり、考えている自社商品・サービスの特徴についても分析します。

自社の状況についてはあなたが一番良くご存知のはずです。しかし、これらの自社の経営資源や特徴を競合他社と照らし合わせながら整理、理解することで、あなたの事業の「強みと弱み」がよりはっきりと見えてくることでしょう。その結果、自社商品・サービスには改善が必要なことがわかるかも知れませんが、そのような場合には必要な修正を加えて、あなたの事業計画をより確かなものにすれば良いのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は公庫の創業計画書と創業の手引を参考にしながら、創業計画のはじめの段階、「創業の動機」、「経理者の略歴等」及び「取扱商品・サービス」の各項目の記載方法を解説しました。3C分析という手法についてもあなたの事業計画をより確かなものにする手がかりになるということがおわかり頂けたと思います。

次回以降も引き続き創業計画書の項目にしたがって解説をしていきます。

一日一楽
きょうは「11月11日」、「独身の日」として日本でも盛り上がり始めてますね。他にも「ポッキー&プリッツの日」とか「チンアナゴの日」とかいろいろあるそうです。私のイチオシは「きりたんぽの日」。いろりに立てて焼く様子が「1111」みたいなのだとか。鍋が恋しい季節にぴったりですね!

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