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開業資金の調達 日本政策金融公庫の融資制度

新規に事業を開業する場合に、考えておきたいことの一つに「開業資金の調達」があります。
今回は開業資金をどのように調達するか、をテーマに、日本政策金融公庫の融資制度を例に解説します。

目次

日本政策金融公庫とは

まず、日本政策金融公庫(通常、「日本公庫」や単に「公庫」と呼ばれます)について簡単にご説明します。公庫のHPによると以下のように紹介されています。

日本公庫は、民間金融機関の取組みを補完し、
事業に取組む方々等を支援する政策金融機関です。

更に、3つの役割として、以下の役割を挙げています。

セーフティネット機能の発揮

日本経済・発展への貢献

地域活性化への貢献

それぞれもう少し詳しく見てみましょう。

セーフティネット機能の発揮 ~自然災害や経済環境の変化等によるセーフティネット需要に機動的に対処

2020年以来のコロナ禍では多くの企業が急激な売上の減少に見舞われ、長期にわたり回復の見通しが見えないなど深刻な状況に見舞われたことは記憶に新しいところです。そのような際に、公庫では「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のような特別の貸付制度を機動的に提供するなど、社会のセーフティネットとして機能しています。

日本経済・発展への貢献  ~新たな事業の創出、事業の再生、海外展開及び農林水産業の新たな展開などのニーズに対応

新規事業の創出は日本経済の活性化のためにも重要な社会的課題のひとつですが、新たな事業には当然失敗のリスクもつきまといます。営利を目的とする民間の銀行が支援しにくいような新規事業に対し、公庫は各種の融資制度を用意しています。例えば、「新規開業資金(新企業育成貸付)」では、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の事業者に対して広く門戸を開き、融資を提供しています。

地域活性化への貢献 ~民間金融機関と連携し、地域プロジェクトに参画するなど地域活性化に貢献

東京への一極集中が進むなか、人口減少が進む地方の経済の活性化は日本の重要な課題のひとつです。公庫では例えば「地域活性化・雇用促進資金(企業活力強化貸付)」のように、新たな雇用の創出効果が見込まれる設備投資等の地域経済の活性化や雇用の促進を行う事業に対し、融資を提供しています。

以上のように公庫の融資制度は、創業企業や個人・小規模企業を含む中小企業などに対し銀行など民間金融機関ではカバーしきれない様々な融資サービスを提供していることがおわかり頂けたと思います。

公庫の創業融資 新規開業資金の概要とそのポイント

公庫では創業を支援する融資をいくつか用意していますが、ここでは「新規開業資金」という融資制度をご紹介します。この融資は新たに事業を始める方・事業開始後間もない方、を対象に、最大7,200万円までの融資を提供する制度です。

新規開業資金の概要

新規開業資金の概要は以下のとおりです(2021年10月末現在)

対象者新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
資金使途新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金
融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間設備資金20年以内
据置期間2年以内
運転資金7年以内
据置期間2年以内
利率(年)基準利率。ただし、一定の要件に該当する方が必要とする資金は特別利率。
保証人・担保応相談

ポイント

いくつかポイントがありますので補足いたします。

  1. 事業計画が必要
    公庫の融資は民間金融機関を補完するものではありますが、返済の見込みのない事業にむやみに融資をするものではありません。「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる」ことが必要で、事業計画を作成し、創業計画書などの書式に落とし込む必要があります。単にストーリーと数字を書き込めば良いわけではなく、公庫の担当者を納得させるような事業計画が求められます。
  2. 使途によって融資限度額と融資期間が異なる
    資金を機械や備品などの生産設備を取得するための設備資金として使用するのか、商品の仕入れや従業員の給与など事業を継続していくために必要な運転資金として使用するのか、によって融資限度額と融資期間が異なります。
  3. 一定の要件に該当すると金利が優遇される
    市区町村別の認定創業支援等事業計画により認定を受けるなど一定の要件を満たす場合には、基準金利よりやや優遇された利率の適用を受けることが可能です。1%未満の優遇利率であったとしても、融資金額が大きく、返済期間が長い場合には優遇金利もそれなりの金額になりますので、要件に該当する可能性があるかぜひ検討してみてください。
  4. 保証人・担保が必要
    担保の有無は個別の判断になりますが、保証人や担保を求められるケースが多いと思われます。ただし「新創業融資制度」のように一定の要件に該当する場合には、融資限度額は3,000万円(運転資金は1,500万円)までとなりますが無担保・無保証人で利用可能な場合もありますので、融資金額が少なくて済むような場合などには積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は小規模事業者の資金調達にはおなじみの公庫の役割と代表的な創業者向け融資である新規開業資金の概要について解説しました。公庫は民間の銀行がカバーしきれないような事業に対しても融資を提供していますので、創業者や小規模事業者の方々は公庫の融資制度について日頃からある程度意識しておくと、資金調達を思い立った際にスムーズに融資申し込みができるようになります。

当事務所では 創業者や小規模事業者の方々向けの融資支援業務をご提供しておりますので、お気軽にご相談ください。

一日一楽
近所で2件の戸建てが建設中で、外構工事を残して完成間近です。どちらのお宅の屋根も南側に片流れの屋根に太陽光パネルを敷きつめています。近所では私の自宅がいち早く太陽光のパネルを載せましたので、流行を先取りしたような気分ですね。

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