今回は経営計画や補助事業計画の記載イメージをいくつかの業種を例に、もう少し具体的に紹介していきます。
いずれも新規に会社を設立して事業をはじめる事業者という設定にしています。なお、この事例を使えば採択されるとは限りませんので、ひとつのイメージとしてご理解ください。
目次
不動産賃貸管理業
主な取り組み
- 物件紹介サイトに室内のVR動画を掲載し、ウェブ上で内見、申込みが出来るような環境をととのえ、非接触での営業・集客を強化する。
- 従業員やお客様がIT重説や電子契約を運用できるような環境を構築し、従業員の移動負荷の軽減をはかる。
販路拡大
- VR動画撮影用の専用の撮影機材を購入し、掲載物件を可能な限りVRに対応させ、成約率の向上をはかる。
- ウェブ画面内に申し込みページを配置し、ウェブ内見をしたお客様をそのまま申込みにつなげるような動線を確保する。
業務効率化
- IT重説やその他のコミュニケーションはかるためのウェブ会議システムとしてZoomを導入する。
- 電子契約システム内で従業員のあいだで情報を共有し、契約書等のドラフトから承認まですべてウェブ上で完結できるしくみにする。
- 文書の法的有効性を確保しつつ、ペーパーレス化を推進することで、郵便コスト、印紙代や書類保管コストの削減をはかる。
物販業
主な取り組み
- 海外向け通信販売プラットフォームを通じた日本製品の販売を行っているが、自社独自のHPを作成し、海外顧客が直接自社にアプローチできるような販売チャンネルを構築したい。
- 販売や仕入にかかる取引データや金融機関の入出金情報を会計入力と連携させることで、決算業務の効率化をはかりたい。
販路開拓
- 自社のHPを作成するとともに、海外顧客がアクセスし、注文からクレジットカード決済までが可能な英語版の販売用のサイトを作成する。
- 自社のブランドイメージを強化する目的で、自社のロゴデザインを考案し、HPや包装紙、Thank Letterなどに使用することで、ブランドイメージの浸透をはかる。
業務効率化
- 各種データ連携に強いクラウド会計システムを導入する。
- 会計システムにデータをアップロードできるようなフォームで、販売や仕入のデータをエクセルに取り込むためのプログラムを開発する。
整体院
主な取り組み
- 路面に店舗を構えていることから、通行客に対する認知は自然に向上することが見込まれるものの、開業して間もないことからさらに認知度を向上させたい。
- 明るい雰囲気の店舗なので、若い女性層により訴求するために、ネットを通じた集客に力を入れたい。
- 受付業務を効率化することで、受付事務担当者の負担軽減と利用者の利便性向上をはかりたい。
販路開拓
- 期間限定のお試し施術のチラシ広告を作成し、新聞の折込を利用して店舗の周辺地域に頒布する。
- 店舗のHPを作成し、お試し施術の実演動画サンプルやお客様のインタビュー動画などを掲載する。
業務効率化
- お客様が希望する施術メニューと日時を店舗HPのウェブ画面から予約できるような受付システムを構築する。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
業種やどのようなことに取り組むのかによって事業計画はいろいろなパターンが考えられるということがおわかり頂けたと思います。それでも公募要領や実際の採択事例をみると、ITを利用した生産性の向上、業務効率化の取り組みは評価されている印象です。
IT化は世の中の流れでもありますから、このような流れを意識しながら新しい取り組みにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
一日一楽
いちおう土日は休むことにしていますが、今日は会計士協会の研修を入れていました。
某有名モデルさんがなぜかご登壇ということでほぼ興味本位で参加しました。いまは自分の事務所を立ち上げて活動されているそうですが、「会計士さんに小規模企業共済のことを教えてもらって助かりました~」とか話されていて、個人事業者としての一面が見られたのは面白かったです。
逆に個人事務所の会計士もモデルさんみたいに個性が商品になる側面もあると思っています。もちろん会計・税務のサービス品質はだいじですが、「共通の趣味の話しで盛り上がる」とか「世間話が面白い」とかそういう個性でもってお客様に選んで頂いたとしても、それはそれでアリなのだと思います。
モデルさんの容姿のような飛び道具があるわけではないので、さてどんな個性を売りにするのか、それが問題です💦