毎月のように太陽光関連のチラシなどが到来します。先日は保険のチラシが来て、それにひっかけて記事を書きました。本日はソーラーシェアリングのチラシが届いていました。ソーラーシェアリングのチラシもあまり見かけないので多少興味がわいたのと、業者さんの名前が初見でしたので、今回はソーラーシェアリングについて、入門的なことを少し書いてみたいと思います。
ソーラーシェアリングとは?
ソーラーシェアリングというのは、田畑などの農地の上に太陽光パネルを設置し、太陽光を農作物と発電の両方で共有(シェア)する取り組みです。
植物は太陽光を浴びて光合成をすることで成長しますが、一定量を超えた太陽光を浴びてもそれ以上成長が促進されることはないということがわかっています。つまり、太陽光を多少さえぎっても、植物の成長に影響を及ぼさないということで、そのような太陽光の量を「光飽和点」といいます。光飽和点はほとんどの植物に認められ、植物ごとに異なっているようです。
ソーラーシェアリングはこのような植物の性質を利用した取り組みで、農地の上に太陽光パネルを設置し、農地で栽培する農作物の収穫に悪影響が出ないようにコントロールするわけです。
ソーラーシェアリングに向いている植物
農林水産省が公表している「営農型太陽光発電取組支援ガイドブック」(2021年度版)に様々な取組事例が紹介されています。作物名だけあげると以下のような作物で実際にソーラーシェアリングが行われているようです。
- 宮城県:ばれいしょ
- 千葉県:大豆
- 静岡県:茶
- 香川県:水稲・麦
- 長崎県:ブルーベリー
- 秋田県:えだまめ
- 静岡県:茶・ブルーベリー・キウイフルーツ
ブルーベリーでソーラーシェアリングをおこなう事例は私自身もさまざまなルートで耳にしたことがあります。また、「さかき」という神棚などにお供えする植物もソーラーシェアリングに適しているようで、埼玉県北部地域では実際にさかきを栽培しているソーラーシェアリングの発電所を見かけたりします。
上記の作物におおむね共通するのは、畑で栽培するという点でしょうか。ソーラーシェアリングでは、光飽和点を考慮した遮光率をどの程度にするか(それによって設置できるパネルの出力が影響を受けます)という点のほかに、栽培中や収穫時の作業がスムーズに行えるということも重要です。
ブルーベリー栽培の場合には、農地への直植えではなく、専用の鉢に植えたブルーベリーをパネルの下に並べるような形で栽培することが多いようです。なかには養液や水やりを自動化するなど省力化の工夫を組み合わせたりもするようです。
ある程度の面積でおこなう場合には農作業はトラクターなどを使うことになりますから、太陽光パネルの下でそれら農機具の取り回しが問題なくおこなえなければなりません。水稲でソーラーシェアリングをおこなうことも可能なようですが、水田には当然水を張りますし、地盤も軟弱になりますから、サビに強い材質の架台を地中深く打ち込むなど水田特有のノウハウが必要になるように思われます。
水田の面積は日本国内でも相当な規模になりますので水田でのソーラーシェアリングが容易になれば日本の再エネの普及にインパクトを与えそうな気もします。2019年度末時点の情報ですが、ソーラーシェアリングの全体的な状況をまとめた農林水産省の資料がよくまとまっていますので、こちらもご参考にしてください。
ソーラーシェアリング 投資
さて、到来したソーラーシェアリングのチラシの内容をかいつまんでご紹介すると以下のようなものです。
- 表面利回り13%~
- ソーラーシェアリングへの出資
- 「農業未経験」でも可能なスキーム
- あなたが農業をすることは一切なく、弊社が農園を管理
いかがでしょうか?いろいろ確認すべき事項はありますが、最近は分譲型の太陽光発電所の案件じたいかなり希少になってきており、見つかっても表面利回りは10%を切っている印象ですから、13%以上というのは驚きですね。
ソーラーシェアリングへの算入のハードルのひとつは「農業をする」ということでしょう。営農は第三者に委託することもできるようですので、このスキームは農園を運営する事業者が出資者(投資家)を募って、農園じたいは事業者が管理するということなのかもしれません。
また、ソーラーシェアリングへの「出資」を勧誘しているわけですが、どのような出資のスキームになるのか気になるところです。他の出資者との関係や出資者自身が持つスキームへのコントロール権がどうなっているかは「投資家」としては最低限確認しておく必要はあるでしょう。出資の形態によって「配当」にかかる税金の取り扱いも変わってくると思われますので、そういうところも要チェックでしょうね。
一日一楽
むかしから「くじ引き」や「じゃんけん」はあまり強い方ではありません(泣) 年末になるとクリパとかのイベントでくじを引いたりしますが、まともな景品があたった記憶がありません。本日は期せずして「ドラフト会議」に参加して、みごと当たりくじを引いてしまいました!2022年はこれからですが、このツキを持続したいものです!!
この詳報は後日記事にできればと思います。